ターンノーバーパスについて考えたこと

 カードの技法の中で、かなり難しい部類に入る“パス”と言う技法があります。
いろいろなパスがあるのですが、今回は“ターンノーバーパスについて書きたいと思います。

カードマジックを始めてから、いろんなカードマジックを見ていると、やがて“クラシックパス”という技法に出会います。
このクラシックパスという技法にあこがれて練習してみるのですが、なかなか上手くいきません。
そこで違うパスは無いかと見ていると、“スプレッドパス”と“ターンノーバーパス”と言う技法を見つけます。

このターンノーバーパスは、デックをひっくり返す動作に紛れて行う技法で、クラシックパスに比べると、実践的で使う機会も多いと思います。

使い勝手がいいので、このターンノーバーパスという技法に関して、いろいろと考えた事があります。

まず返し方ですが、大きく分けて横回転で返すか縦回転で返すかですが、アメリカのコインを見てみると、表の柄と裏の柄は、縦に返すと合うようになってます。日本のコインは横に返すと柄が合うようになってます。
これに気付いた時に、『日本人は横に返す方が自然なのではないか…』と思い、ターンノーバーパスを横回転でやっていたのですが、どうしても角度に弱くなります。
『やはり縦回転の方がいいのか…』なんて思っていると、よく考えるとお札は日本もアメリカも横に回転して柄が合うようになっているので、『日本人だから横だとかって関係ない』と思うようになり、そこから縦回転で考えるようになりました。
“縦に返したから不自然”なんて事は無く、それより見えてはいけないものが見えてしまうほうが大きなマイナスです。
それに、こちらの“自然”と考えたエゴイズムを見せ付けているような気もしました。

ルポールの本にもターンノーバーパスのやり方が書いてあるのですが、その方法は左手を少しひねる方法で、右側のお客さんにはほぼ完璧に隠れるのですが、ある程度の手の大きさが無いと、左側のお客さんから見えてしまう可能性があります。少し演者が左を向いて行えばいいのですが、できれば正面で出来た方がいいです。

いろいろ試してみた結果、今の両手を少し(10センチほど)動かす形になりました。
とてもいい技法なので、いい形に仕上げたいです。





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